会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書)

どこかで見たことのある顔だと思ったら、『日経アソシエ』で連載している方でした。「外資」とか「金融」といった会社向けなので、ソフトウェア業界にまるまる当てはまるかというと、ちょっと違うなと感じる部分もあります。例えば、著者の渡り歩いた業界よりも上に行ける年齢制限がきついように思います。本書で書かれている、「大人気ないこと」(例えば、次が決まる前に辞めることを口にする)をやってしまいそうな人間なので、転職前と転職後の行動の指針がすごく参考になります。これから実践するわけなので、僕は保障できませんが(笑)。

数年前に、「日本では成果主義は上手くいかない」という種類の議論が流行ったが、多くの場合、そこで取り上げられた成果主義とは、陰気な成果主義なのであった。

このスキームはすごく納得がいきます。詳細は本書を手に取ってください(笑)。

目標を複数掲げて、まったくの未達にならないように、リスクを抑えることが有効な場合もある。たとえば、主な目標のほかに、「若手社員の指導」といった後からどうにでも説明できるような目標を掲げて、目標設定シートの空欄を埋めたことのある読者も、いらっしゃるのではなかろうか。

あるあるあるあるw。

人間のものの感じ方には、プラスの変化よりもマイナスの変化のインパクトを大きく感じる傾向があり、年収1000万円が1200万円に変わる変化の喜びも感じ方よりも、年収800万になる場合の不快感の方がずっと(多分2.5倍くらい)大きい。

2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンプロスペクト理論の重要な仮定の一つだそうです。この辺の話(行動経済学?)は、本書でも「『セイラー教授の行動経済学入門』でも産業間賃金格差の理由が良くわからっていない」といった意味のことが書いてあって面白そうです。というか今読んでます。

思い切って断定すると、会社の状況変化に対する読みの可能性や、自分の将来像に対する予測可能性を考えたときに、将来の具体的な計画が可能な期間は「二年」だ。

かつて『意思決定と合理性』で読んで(中略)、世界的に「傑出した仕事」をした人について調べると、「10年あるいはそれ以上の期間の、その分野へのひたむきな注意の集中」が見られたという。

何が人材価値を決めるのか
1.顧客
2.スキル・能力
3.対人能力(ジジ殺し重要)

30歳になって、会社への不満や批判を的確に(正しく、過不足なく)口にできない社員は能力がないと思って間違いない。

一般に、転職を決意する前は、現在勤めている会社と別の会社の比較にあって、現在の会社に対して過大評価が起こりやすい。やはり現状維持は楽なのだ。しかし、いったん今の会社に対する不満を自覚すると、今度は、他の会社に対して過大評価が起こりやすい。自分が今何をしたいのかを明確に意識して、その反対方向に目配りすると、評価は客観的なものに近づきやすい。

会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書)

会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書)

2008/06/07着手
2008/06/08読了