リナックスの革命 ― ハッカー倫理とネット社会の精神

ブックオフ大井町阪急店で購入
2006/10/22読了
これ読むとなぜGTDがソフトウェア技術者にウケるかがわかる。
本書で述べられているPD(Personal Development、日本で言えば自己啓発の類)は、プロテスタント的労働観、すなわち金曜日である。

P205
両者(労働と余暇)はいずれの場合も、両者はきちんと線引きされているし、効率改善のために時間的にも機能的にも規格化されている。

一方、優れたソフトウェア技術者が持つハッカー倫理は金曜日と日曜日の区別をしない。続く文では、

P205
これに対し、ハッカーたちの価値観は、労働と余暇という分け方をしない。どっちも情熱を持ってやれることがだいじで、漫然とした仕事も労働も無意味だ。一方、情熱を持ってできるなら仕事と余暇に線引きがある必要もないのだ。そしてそこには規格化も存在しない。

と表現されている。GTDの「すべてを捉える」という重要な特徴により、GTDはPDでありながらもハッカー倫理に沿ったものだと言える。(気になっていることすべてとは、仕事も余暇も全てひっくるめて、である。)また、GTDと相補的に扱われることが多い「ライフハック」はどうかというと「規格化」という部分に関わりがある。ライフハッカーは自分で規格を作り出し、その作業やその作業によって得られる効果を楽しむことができる人々のことだ。ここには手段の自己目的化という落とし穴があるのだが、それについてもGTDの処理フローが上手く制御を入れているような気がするが、現時点ではあんまり考えがまとまっていない。
実は、引用した文は、訳者のひとりである山形浩生氏による解説部分だったりするという罠。

本書サポートページ
http://www.hackerethic.org/

「山形の著書訳書など」
http://www.hackerethic.org/

Hacker Ethic 訳者(のひとり)による解説 (無削除完全版)
http://cruel.org/books/hackethicnote.html

The Gospel of Tux (v1.0)
http://www.gis.net/~cht/gospel.html

ティム・バーナーズ=リー『ウェブをつくる』」でぐぐると、四日市大学牛島研究室というところに辿り着いた。なんだこの問題。
http://usi.yokkaichi-u.ac.jp/my_pdf/2002/020228_tml.PDF

リナックスの革命 ― ハッカー倫理とネット社会の精神

リナックスの革命 ― ハッカー倫理とネット社会の精神