やさしいUML入門―Javaオブジェクト・モデリング

入門書。華麗なクラス設計などは載っていない。付録がJavaUMLとのからみではクラス図のあたりぐらい。「はじめに」で、

を軸に解説すると基本事項以外を大胆に切り捨てる方針だから当たり前。
第13章の「UML&Javaシミュレーション・実装編」で

機能詳細化法はアルゴリズム主導の方法論であるため、データ種別の追加には非常に弱くプログラム全体にインパクトが出てしまうのです。(P98)

今度の構造ではデータアクセスの追加ではプログラムの構造に変化はなかったものの、アプリケーションロジックの追加でプログラムの大幅な修正が発生することになったのです。単純なオブジェクト指向化では、このような問題には対処できないことがわかりました。(P105)

コントロールオブジェクトによる方法では修正箇所は2箇所のみです。つまりこの構造はアプリケーションロジックの追加にも、データの追加にも必要最小限の修正で対応可能というわけです。(P110)

と、簡単なソースでPACアーキテクチャパターン(Presentation-Abstraction-Architecture)が説明されていて、この部分をC++で書き直して今のプロジェクトで新人ぐらいの人たちに見せたいと思った。入門書ではあるけど、UMTPやOCUPの試験対策本にはあまり取り上げられていない用語が多く出てきた気がする。P11に参考書のガイドラインが載っているので、参考になる。(読んだものから後で追加しよう。)
実装などのより詳細な部分については、このまま同著者の『UML&Javaオブジェクト指向開発 入門編―静的モデリングと動的モデリング』を続けて読めば良いのだろう。

やさしいUML入門―Javaオブジェクト・モデリング

やさしいUML入門―Javaオブジェクト・モデリング