21世紀の国富論
2章のインデックス・ファブリックという理論でP2Pのハードソフト一体型のデバイス?(PUC)がRDBのクライアントサーバ型のコンピュータを駆逐するようになるという未来予想は、長いスパンでは正しいかもしれない。ただ、PS3の失敗や、アプリケーションやサービスがより多層化していくように思える現状を見ていると「早ければ5年」というのはどうなんでしょう?BorlandやxVDの製品を使っている人は読むと多少面白いかも。アングロサクソン式会計が日本に入ってくる歴史なんかもわかります。以下メモ。
時価会計と減損会計の波に乗り、アングロサクソン流の「株主は会社のもの」という議論を前提にして、時価総額の大きさを追うような経営をすると、その手段として企業の資産を軽くするための手法を提供する産業、たとえば、人材派遣業やEMS(製造工程に特化した請負工業)やリース業(法改正については五十ページ参照)は順風満帆となります。しかし、一方で、本来の価値を生む産業はその間にむしばまれ、やがて資本主義が破綻することにもなりかねません。
「物的工業製品」で大切なのは、小さなイノベーション(技術改良)の積み重ねです。これを実現する上でも、多くの大企業がもつ整然としたピラミッド型の組織が威力を発揮しました。しかし、「知的工業製品」でも求められるのは、より根本的な発想の転換を促すようなインベンション(発明)、そしてディスカバリー(発見)です。ソフトウェアや通信技術、バイオテクノロジーのような産業で不可欠なクリエイティビティは、むしろ画家や音楽家といった独創性に富んだ芸術家の創造性に似ているのです。
- 新しい産業でこれから主流になっていくのは、「社員と社員のあいだにあまり差のないフラットな組織をもつネットワーク型の中小企業」
- 関係者それぞれの目的と全体の理想が調和できるフレームをつくって根本的に解決する
手段と目的の転倒というこの現象をもたらすのは、一体何なのでしょうか?私はそのもっとも大きな原因が、ものごとの数値化にあると考えています。
- 作者: 原丈人
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2007/06/21
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2008/05/25読了