開発現場が危機感を持ちにくいのは単価が下がるのではなく上がらないからという仮説

システムエンジニアの時間給は5年で約14%減

 給与や賞与の合計額を労働時間数で割った時間給。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を基に、2002年を100としてシステムエンジニアの時間給を算出すると、2007年は86.3にまで下がっている。プログラマーの時間給も同様で、2007年は86.7となる。デフレが進んでいるとはいえ、全産業では2002年の100に対して2007年は92.5だから、IT関連の落ち込みは目立つ。IT(情報技術)による生産性向上が付加価値を生んで労働対価を押し上げる――。そうはなっていない現状が浮かび上がる。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080818/168189/

仮に5年で10〜30%程度年収がアップすると仮定すれば、5年で14%減少だということは、現状キープか若干のアップということになる。本来であれば、それ以上のアップがあって平均的な水準になるはずなのに、額面上は上がったことで錯覚しているのではないか。10〜30%っていうのは僕の勝手な設定値なのだが、ともかく、エンジニアは騙されてしまっているのかもしれない。

ただし上位企業と下位企業の間では、収益力の格差が広がっている。例えば、売上高上位の20社に限定すると、赤字転落を含む減収減益となった企業は、前年度の半分の2社にとどまる。それが全体では15.2%(25社)で、前年度と比べて4.2ポイント増。下位企業の業績が全体の足を引っ張ったということになる。

進む収益力の二極化 淘汰の時代の始まりか(2ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

業界全体の受託開発の伸びを見ると、全体の伸長率は1%台前半にとどまっているが、上位20社は4%台。

進む収益力の二極化 淘汰の時代の始まりか(2ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

下位企業が小さな利益を上げてしまうことで、上位の富める企業に水をあけられてしまっていることに気づいていないのかも。そして「今は仕事がないんだよ」とITゼネコンに言われるがままに買い叩かれているのかもしれない。