AppSumo による「すべての起業家が読むべき本トップ40」リストの翻訳版を地道に調べてみた(後編)

前回の続きです。

21. Ready, Fire, Aim – Michael Masterson

Ready, Fire, Aim: Zero to $100 Million in No Time Flat (Agora Series)

Ready, Fire, Aim: Zero to $100 Million in No Time Flat (Agora Series)

オーディオブック(asin:1596591633)

翻訳版はこちら。

大富豪の起業術 下巻―毎年700億円を稼ぎ出す〈ダイレクトマーケティング

大富豪の起業術 下巻―毎年700億円を稼ぎ出す〈ダイレクトマーケティング


22. Rework – Jason Fried

Rework

Rework

Ruby on Rails の作者DHHが所属する 37signals が書いていることで有名ですね。
原書のイラストもちゃんとついたハードカバーの完全版が最近出ました。
僕は旧版を持っているので、買うなら原書にした方がいいのかも。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
  • 購入: 21人 クリック: 325回
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旧版(挿絵がない)
小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)

37signals は、本書よりも先に制作された "Getting Real" は無料で読むことができます。有志のボランティアにより翻訳もされています。

Getting Real
http://gettingreal.37signals.com/GR_jpn.php

Big Think で著者二人のインタビューが視聴できます。このサイトは文字起こしされているので便利ですね。
Jason Fried | Co-founder, 37signals | Big Think
http://bigthink.com/jasonfried

Big Think Interview With David Heinemeier Hansson | David Heinemeier Hansson | Big Think
http://bigthink.com/ideas/21596

後者のビデオは id:babie さんによる紹介記事があります。

DHH の最新インタビュー紹介 - LazyLoadLife
http://d.hatena.ne.jp/babie/20100811/1281488639

次の動画はDHHのスタンフォード大での講演です(音声版もあり)。
http://ecorner.stanford.edu/authorMaterialInfo.html?mid=2351

23. Steve Jobs – Walter Isaacson

STEVE JOBS

STEVE JOBS

紹介するまでもないですね。

スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ II

スティーブ・ジョブズ II


24. Street Smarts – Norm Brodsky

The Knack: How Street-Smart Entrepreneurs Learn to Handle Whatever Comes Up

The Knack: How Street-Smart Entrepreneurs Learn to Handle Whatever Comes Up

オーディオブック(asin:1596592737)

翻訳版はこちら。

経営の才覚 ― 創業期に必ず直面する試練と解決

経営の才覚 ― 創業期に必ず直面する試練と解決


25. The 22 Immutable Laws of Marketing – Al Ries and Jack Trout

The 22 Immutable Laws Of Marketing

The 22 Immutable Laws Of Marketing

翻訳版はこちら。

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

自分の記事を見返すと『BEST SOFTWARE WRITING』でも紹介されているようです。

エリック・シンクの読書案内のコーナーで『売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則』が取り上げられていましたが、勝間本だったので3月に読んでいて少しうれしかったです。

BEST SOFTWARE WRITING - 杉風呂2.0 - A Lifelog -


26. The 4-Hour Workweek – Timothy Ferriss

The 4-Hour Workweek, Expanded and Updated: Expanded and Updated, With Over 100 New Pages of Cutting-Edge Content.

The 4-Hour Workweek, Expanded and Updated: Expanded and Updated, With Over 100 New Pages of Cutting-Edge Content.

翻訳版はこちら。初版は255ページだったのが改訂版で640ページになってしまった本です。
「週4時間」だけ働く。

「週4時間」だけ働く。

この本をネタにした id:gamella さんの一連のエントリが面白いです。
「年収2000万円で一つの場所に拘束されるより、年収500万だけど好きな場所で生活できる方が楽しい人生を送れる」という話 - 「週4時間だけはたらく。」その1
http://d.hatena.ne.jp/gamella/20120116/1326664009
週4時間働くだけで済む体制をどうやって構築するか - 「週4時間だけはたらく。」その2
http://d.hatena.ne.jp/gamella/20120117/1326812006
「週4時間だけはたらく。」を読んで金輪際ライフハック本を読まないというライフハック
http://d.hatena.ne.jp/gamella/20120123/1327267171

また、『COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2012年 02月号 [雑誌]』で、"世界を動かす「キーパーソン」" の一人として紹介されていて、かなり面白く読みました。著者が読むべき本として3冊が挙げられていましたが、ここでは紹介を控えます。


27. The 7 Habits of Highly Effective People – Stephen R. Covey

The 7 Habits of Highly Effective People: Powerful Lessons in Personal Change

The 7 Habits of Highly Effective People: Powerful Lessons in Personal Change

オーディオブック(asin:188321937X)

いわゆる、「7つの習慣」ですね。

7つの習慣

7つの習慣


28. The Art of the Start – Guy Kawasaki

The Art of the Start: The Time-Tested, Battle-Hardened Guide for Anyone Starting Anything

The Art of the Start: The Time-Tested, Battle-Hardened Guide for Anyone Starting Anything

翻訳はこちら。

完全網羅 起業成功マニュアル

完全網羅 起業成功マニュアル

本書の紹介は以下の記事が参考になります。

ジョブズのカリスマとマッキントッシュの成功を知る男 ガイ・カワサキ流「すべらない事業の始め方」(1/1):MarkeZine(マーケジン)
http://markezine.jp/article/detail/8240

ガイ・カワサキは最近も起業家向けの本を出していますね。

アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術

アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術

人を魅了する 一流の職業人であるための技術

人を魅了する 一流の職業人であるための技術


29. The Dip – Seth Godin

The Dip: A Little Book That Teaches You When to Quit (and When to Stick)

The Dip: A Little Book That Teaches You When to Quit (and When to Stick)

またまたセス・ゴーディン。翻訳版はこちら。

ダメなら、さっさとやめなさい! ~No.1になるための成功法則~

ダメなら、さっさとやめなさい! ~No.1になるための成功法則~


30. The E-Myth Revisited – Michael E. Gerber

The E-Myth Revisited Rev Ed: Why Most Small Businesses Don't Work and What to Do About It

The E-Myth Revisited Rev Ed: Why Most Small Businesses Don't Work and What to Do About It

オーディオブック(asin:0060755598)

翻訳版はこちら。

起業家精神に火をつけろ!―会社のために働くのではなく、あなたのために働いてくれる会社をつくる7つのルール

起業家精神に火をつけろ!―会社のために働くのではなく、あなたのために働いてくれる会社をつくる7つのルール

日本だと同著者の次の本の方が有名なようです。

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術


31. The Fountainhead – Ayn Rand

The Fountainhead

The Fountainhead

このリストの中では唯一の小説のようです。

水源―The Fountainhead

水源―The Fountainhead

グリーンスパンFRB議長が、若き日に心酔し、信奉した偉大な女性思想家であるアイン・ランド。ランドが創設したアメリカ保守思想の一つの大きな流れ「リバータリアニズム」の考え方を具体的に描き出した小説が本書『水源』である。1943年の発表以来、現在もアメリカで読み継がれ累計500万部を超す大ロングセラーの本邦初訳。


32. The Four Steps to the Epiphany – Steven Gary Blank

The Four Steps to the Epiphany: Successful Strategies for Startups That Win

The Four Steps to the Epiphany: Successful Strategies for Startups That Win

翻訳はこちら。これもタイトルがまったく違いますね。

アントレプレナーの教科書

アントレプレナーの教科書

こちらの記事が図解されたまとめで詳しいです。

アントレプレナーの教科書  スタートアップにはスタートアップのやり方がある! - 無い知恵絞れ!ハゲるまで考えろ!
http://d.hatena.ne.jp/mtakasurf/20110731/1312118393

ちょっとしたマンガ?にもなっていたり。

マンガで学ぶ?「アントレプレナーの教科書」 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2132772570748825701

33. – Clayton M. Christensen

The Innovator's Dilemma: The Revolutionary Book that Will Change the Way You Do Business (Collins Business Essentials)

The Innovator's Dilemma: The Revolutionary Book that Will Change the Way You Do Business (Collins Business Essentials)

オーディオブック(asin:1565114159)

以下のブログの解説が面白いです。

破壊的イノベーションイノベーションの意味を破壊しまった。 - 実際、最後は精神論ですよ。
http://d.hatena.ne.jp/gasso/20100222/1266869060

ここで扱われる破壊的という言葉は、根本から変えるとかそういうポジティブな意味ではない。

これも日本人に誤解を招きやすい表現だとおもう。

この『破壊=disrupt』はもっと否定的なネガティブな意味しか有していないのだ。

そして、この発見は当のクリステンセンにとってあまりにも大きすぎた。

結果、著者は纏め上げることに難航し、残り99%に全く関係ない、従来の意味でのイノベーションも多々含んでしまった。

故に少なくともドラッカー全集の『イノベーションと企業家精神』を読破していない一般人が読むことは絶対おすすめしない。

時間が無い人は旧『イノベーション起業家精神(上)』くらいは読むべきだろう。

経験上、本書の読者の90%は誤読し、MBAの学生でも半分以上が誤解したまま卒業する。

書籍を言葉尻でしか理解できない人は事前の知識無しに読むことを絶対してはいけない。

破壊的イノベーションはイノベーションの意味を破壊しまった。 - 実際、最後は精神論ですよ。


34. The Lean Startup – Eric Ries

The Lean Startup: How Today's Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses

The Lean Startup: How Today's Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses

以前のエントリでも取り上げましたが、最近話題の書籍です。

翻訳版はこちら。

リーン・スタートアップ

リーン・スタートアップ

速習したい方は、渡辺千賀さんの要点まとめ記事を先に読んでおくとよいかもしれません。

On Off and Beyond: 起業のバイブルThe Lean Startupの要点だけを英語のまま3時間で読む
http://www.chikawatanabe.com/blog/2012/02/leanstartup.html

Qiita は本書を参考にして開発されているそうです。

Qiitaを開発する中でLeanStartupを実践して学んだことをシェアします
http://kony.me/post/17530889881/try-leanstartup

WBSリーンスタートアップ特集で取材を受けていた Sonic Garden 社の倉貫さんの読書メモが参考になるかと。

読書メモ:リーンスタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす - Social Change!
http://kuranuki.sonicgarden.jp/2012/04/leanstartup.html

リーンスタートアップ自体については平鍋さんの解説がよいかと。

Lean Startup リーンスタートアップ解説(1):An Agile Way:ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2011/05/lean-startup-introduction-in-japanese-1.html

Lean Startup リーンスタートアップ解説(2):An Agile Way:ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2011/06/lean-startup-introduction-in-japanese-2.html

35. The One Minute Entrepreneur – Ken Blanchard

The One Minute Entrepreneur: The Secret to Creating and Sustaining a Successful Business

The One Minute Entrepreneur: The Secret to Creating and Sustaining a Successful Business

オーディオブック(asin:0739329057)

翻訳版はこちら。『1分間〜』というシリーズになっていて、その中の1冊がよくビジネス雑誌で紹介されている気がします。

1分間アントレプレナー 黄金の起業法則

1分間アントレプレナー 黄金の起業法則

Amazonの著者ページを見ると最近の著作もよく翻訳されているようです。


36. The Paradox of Choice – Barry Schwartz

The Paradox of Choice: Why More Is Less

The Paradox of Choice: Why More Is Less

オーディオブック(asin:1455883654)

翻訳版はこちら。

なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴

なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴

著者の言う「選択のパラドックス」について、上杉周作さんが Facebook の記事で「日本の首都圏ではシリコンバレーと比べて日常生活に戦略的ゲームの要素が多い」という分析をされていて面白いです。

シリコンバレーで一年半仕事したあと、日本の首都圏で一ヶ月ニートして気づいた3つの違い
https://www.facebook.com/shu/posts/2540001859165

「バリー・シュワルツ氏が語る、選択のパラドックスについて」というTEDのビデオでは(あとで検索することを推奨)、選択肢が多いほど、考えることが多いほど、人は萎縮してしまい、幸せになれないということを説いているが、東京エリア特有の「どうでもいいゲーム要素が多い生活」ではそのことを思い出さざるをえない。

バリー・シュワルツ氏が語る、選択のパラドックスについて | Video on TED.com
http://www.ted.com/talks/lang/ja/barry_schwartz_on_the_paradox_of_choice.html

バリー・シュワルツ「選択のパラドックス」1 - YouTube

バリー・シュワルツ「選択のパラドックス」2 - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=ll2bTaYqKjA

いくつかのブログで『行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)』という本の以下の文章が引用されていて、いろいろ考えさせられました。

シュワルツとウォードらは、何でも最高を追及する性向のある「最大化人間」と、サイモンから着想を得た、「ほどほど」で満足する「満足化人間」がいるとして、その判定法を考案している。最大化人間は、選択肢が増えるとそれをつぶさに検討して、より良いかどうかを確かめないと気がすまないが、満足度人間はいったんそこそこの選択肢を見つければ、選択肢が増えても気にしないのである。したがって、最大化人間は、選択の結果に充実度が低く、後悔しがちであり、総じて幸福度が低いことが指摘されている。

選択が多いほどよいという幻想 | 眠る開発屋blog

最近、書店でみかけた『知恵―清掃員ルークは、なぜ同じ部屋を二度も掃除したのか』と同じ著者なことに気づきました。Amazonを検索すると、こういうのが意外に面白いです。

知恵―清掃員ルークは、なぜ同じ部屋を二度も掃除したのか

知恵―清掃員ルークは、なぜ同じ部屋を二度も掃除したのか


37. The Personal MBA – Josh Kaufman

The Personal MBA: Master the Art of Business

The Personal MBA: Master the Art of Business

翻訳が見つかりませんでした。代わりに最新の著作でお茶を濁します。
Work the System: The Simple Mechanics of Making More and Working Less

Work the System: The Simple Mechanics of Making More and Working Less


38. The Toyota Way – Jeffrey K. Liker

The Toyota Way: 14 Management Principles from the World's Greatest Manufacturer

The Toyota Way: 14 Management Principles from the World's Greatest Manufacturer

オーディオブック(asin:1932378707)
翻訳はこちら。
ザ・トヨタウェイ(上)

ザ・トヨタウェイ(上)

ザ・トヨタウェイ(下)

ザ・トヨタウェイ(下)

これも『アジャイルサムライ−達人開発者への道−』で参考文献に挙げられていましたね。

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−


39. The Ultimate Sales Machine – Chet Holmes, Jay Conrad Levinson and Michael Gerber

The Ultimate Sales Machine: Turbocharge Your Business with Relentless Focus on 12 Key Strategies

The Ultimate Sales Machine: Turbocharge Your Business with Relentless Focus on 12 Key Strategies

オーディオブック(asin:1433208822)
翻訳はこちら。
究極のセールスマシン

究極のセールスマシン

  • 作者: チェット・ホームズ,Chet Holms,ジェイ・C・レビンソン(序文),マイケル・E・ガーバー(序文),中山宥
  • 出版社/メーカー: 海と月社
  • 発売日: 2010/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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40. Tribes – Seth Godin

Tribes: We need you to lead us

Tribes: We need you to lead us

翻訳は多分これじゃないかなぁと(笑)。もうこのあたりになると日本市場の都合というか、せめて原題を表紙の隅っこにでも載せてくれればいいと思うんですが。Work 3.0 ってなんだろう?

「新しい働き方」ができる人の時代

「新しい働き方」ができる人の時代


以上、40冊中39冊と、意外に多く翻訳されていていることがわかり、驚きました。